〜夢はジオラマの中に〜
今回は、情景模型の特集です。テーマは、『夢』についてです!
ところで、皆さんの夢は、何ですか?たった一つの夢を追いかけて
いる方もいれば、たくさんの夢を持っている方もおられるのではない
でしょうか?私の知人の方は、ノートにたくさんの夢を箇条書きにして
叶ったものから一本の横線でチェックを入れていました。
彼を見ていると本当に毎日が楽しそうで、いつしか、私もいくつかの夢
を見るようになっていました。そんな『夢=これがしたい!』をテーマに
今回は、私の夢の一つでもあります『別荘と露天風呂造り』をジオラマ
製作法と絡めてご紹介したいと思います!
皆さんも、『夢』をジオラマ模型で製作する毎日を過ごしてみませんか!
生活していると良いことばかりじゃないですけど、楽しく活気のある日々
を送れのではないかと思います・・・
では、いつものように進めて参ります。
皆さんは、ジオラマ製作応援隊の記事などをご参考に、ご自身の『夢』
をぜひ、形にしてみて下さいね。
■工程1 ジオラマ内に配置するストラクチャーや人形等を予め購入
または、ハンドメイドで製作し、用意しておきましょう!
ここでは、「別荘」は、スケール1/150、ハンドメイドで作ってみました。
詳細な作り方は、解説いたしませんが、厚紙主体で、強度を高めた
私独自の方法で製作をしています。(簡易バージョンです)
本当は、ここまで立派な建物は必要だとは思ってないのですが・・・
せっかくなので、大きめにしてしまいました。友人達を招いて、屋上で
バーベキューなど、きっと最高でしょうね!そして、更に一面が大きな
窓ガラスの部屋を造り、、雨の日は、窓ガラスに沿って滝のように流れ
落ちる水を見たり、静かに読書などしたいものです。
また、今回の主役は、〈露天風呂〉なのですが、スタイロフォームを
くりぬき後、シーナリーボンドを少量混ぜたシーナリープラスターを塗
って乾燥させたものに、モーリンの川石(大・グレー)を接着し、カラー
をつけてみました。
また、今回は、地面の作り方(シーナリープラスターとプラスタークロス)
の使用法を同時に解説しておりますので、山肌などの斜面をお作りに
なられる際の参考として頂けましたら幸いです。
■工程2 ベース板および造作材を用意してカットしましょう!
さて、まずは、高さのあるジオラマを作るには、当然ながら、かさ上げ
をしなければなりませんね。ここでは、これから使用する新聞紙や
プラスタークロス、そして、シーナリープラスターとの相性を考慮して
比較的、入手しやすいベニヤ板を使います。
もちろん、通常は、安価ですし、ラワンのベニヤ板で十分なのですが
今回は、手元に半端なシナベニヤ板がありましたので、これを加工し
て、ベース板などを用意致しました。厚みは、3ミリと4ミリ厚です。
また、かさ上げ用の木材は、これも手元にあったラワン材を使用して
います。しっかりと固定できれば良いので、角材だけではなく、次の
工程の写真のように、ベニヤ板を使っても、OKです。
基本的には、図面を製作し、それをもとに切り出します。
最近あまり使用する機会がないのですが、カーボン用紙などを使って
も良いと思います。また、今回の記事は、厚紙に印刷して、それに
沿って、鉛筆で印を付け、カットしています。
レーザーカットなどで切り出せば、早く、そして、綺麗にいきますが
面白みがないですよね。やはり、模型は、自分の手で作り上げる事
に醍醐味があるんだと思います・・・
皆さんも、御自身で製作された図面をもとに、カットしてみてください。
怪我にはくれぐれも注意しましょう。
■工程3 大まかに組み上げていきましょう!
次に、先程、カットしておいた、ベース板とかさ上げ用の側面のベニヤ
を木工ボンドで接着します。そして、次に奥側のコーナー2ヶ所とその
中間地点にラワン板を同様に接着。最後に手前の部分のベニヤ板を
垂直に接着しますが、手前部分は、写真のように上にのせる板の形状
をベース板上に鉛筆で書き込み、そこから20ミリ程度、内側に下げて
接着します。*上にのせる板の裏側にも線を書き込んでおきます。
基本的には、高さを上げる場合、発泡スチロールやスタイロフォーム
などをお使い頂いてもOKですし、補強の仕方もお気に入りの方法で
構いません。
*私は、仕事としておりますので、木材を使用する場合は、長期間
歪み等が発生しない様、補強材は、沢山、入れております。
今回のこの記事では、最小限の補強です。
■工程4-1 坂道編(1)
↑ここでは、カーブした坂道のベースとなる板を取り付けたいと思います。
直線の坂道は全く問題はありませんが、カーブすると少し、状況が変
りますので注意してください。上から見た図面のまま、寸法を切り出し
ますと失敗します。勾配がある分、切り出す寸法を長めに取っておき
実際に勾配どおりに仮配置して長さを実測するのが、よろしいかと思
います。
■工程4-2 坂道編(2)
↑次に、板の反らせ方に触れたいと思います。
板は、フラットなので、ご存知の通り、勾配のまま、配置すると端の
2ヶ所では、どちらか一方の角度が合わなくなります。
そんな時には、反らせた時の反発力を少なくするため、写真のように
板の裏側に格子状または、線状にのこぎりで筋目を入れると板がし
なりやすく、また、取り付けやすくなります。
厚い板をお使いの場合には、ぜひ、試してみて下さい。
■工程4-3 坂道編(3)
では、この工程最後に上記の坂道のベース板を取り付けましょう!
小片のベニヤ板をボンドで接着した後、タッカー(建築用ホッチキス)
で止めます。
坂道の両端は、多少、力が掛かりますので、しっかりと止めておきます。
止めましたら、ポンチとハンマーで写真のように押し込み、凹んだ部分
にパテを入れておきます。
もちろん、最初から上部のベース板と一体で切り出す場合には、この
工程のタッカーでの作業などは、必要ありませんが、ここでは、後付け
で坂道を追加したいという場合も考慮し、取り付け方の一例を記載します。
*タッカーのお取り扱いには、くれぐれもご注意下さい!また、15歳以下
の方は、必ず、大人の方と一緒に作業を行ってください。
■工程5 隙間を新聞紙で埋め、固定していきましょう。
工程4が終了しましたら、さらに地形を作っていきましょう!
使うのは、写真のように、木工ボンド:水=5:5の木工ボンド水溶液
そして、読み終わってしまった新聞紙、容器(このような、梅干しの入
っていた容器など何でも構いません。)。また、薄手のビニール手袋
があれば、手の皮膚が荒れずにすみますので、ぜひ、用意しておい
て下さいね。
では、始めます。まず、新聞紙をある程度、しっかりと丸め、水溶液
の中に浸し、軽く絞ります。
それをしっかりと詰めていきます。写真は、詰め終わった様子です。
このまま、少し時間を置いて7〜8割程度、乾燥させます。
完全に乾燥させても良いのですが、こうすることで、下地のボンドで
湿った新聞紙と上から貼るシーナリークロスやシーナリープラスターが
硬化する際に密着力が向上し、しっかりとした下地が完成します。
■工程6 シーナリープラスターを使ってみよう!
この工程から次の工程まで、シーナリープラスターとプラスタークロス
という2つの素材を実際に使いながら、比較してみたいと思います。
シーナリープラスターは、容器の中に水を入れ、そこに素材を投入。
水をしっかりと吸い込んだところで、ヘラで混ぜ合わせ、軽く練って
使います。柔らかすぎたら、少し、後から素材をし、硬すぎたら少し
水を投入し、しっかりと混ぜます。
ちなみに、シーナリーボンドを少量、混ぜますと、密着力と強固さが
増します。(*ここでも使用しています)
シーナリープラスターの終了の様子は、次の工程の写真にて確認して
下さい。
■工程7 プラスタークロス編
↑さて、今度は、プラスタークロスです!
容器に水を入れ、適当な大きさにハサミでカットしましたら、さっと水に
浸し、そのまま、または、軽く絞ってお好みの場所に貼り付けて下さい。
指の腹で継ぎ目を消すようになじませます。初めての方でも容易に貼
れると思います。岩肌などでお使いの場合は、ある程度、下地の形状
を作ってから、貼られるとよいでしょう。
■工程8 色を付けていきましょう!
↑完全に乾燥致しましたら、カトーのアースカラーの2色で、地面の色
をさっと筆塗りします。まず、アース色を塗り、その後、乾く前にグリ
ーンを上から塗り、ムラが出るように塗ると良い感じになります。
*原液は、非常に濃いので、少し水でうすめて使用します。
塗り終わったら、良く乾燥させてください。
■工程9 道路を表現していきましょう1
↑以前もタミヤのテクスチャーペイントを使用致しましたが、やはり
この素材は、使いやすいですね。マスキングして、さっと仕上げます。
塗った時に出来る少しぐらいの凸凹は、硬化すると、ほとんど分から
なくなりますので、初心者の方も使いやすいと思います。
おすすめです。
■工程10 土と草素材を固着しよう!
↑この工程では、土と草素材を固着していきたいと思います。
土は、下地が塗装されてますので、草素材を直接、固着してもOK
ですが、塗装した下地も見せながら、リアルサンドを使って地面を
表現してみました。また、ターフは、明るめの若草色(24−312)を
使用しております。(*少量のターフ緑褐色も使用)
*リアルサンドは、(ブラウン)を使用。
上記の画像は、コースターフの緑色を使用したところ。
鮮やかなグリーンが綺麗です。
コースターフは、水で希釈したスーパーフィックスに軽く浸し、押し
付けて固着しています。
そのほか、樹木・製作しておいたストラクチャーと露天風呂を設置
してみたのが、下記の画像です。
いかがでしたでしょうか?
後日、説明の追加や、この形からさらに作りこみましたジオラマの
画像を掲載の予定ですので、楽しみにしていてくださいね。
■ひとまず完成!!
さて、大変お待たせ致しました!
この続きを記載してまいりたいと思います。
追加した表現は、露天風呂の屋根・樹木・電柱や電線、ガードレール
そして、犬と散歩する人、別荘2階のバルコニーで楽しく雑談する人々
を追加してみました。また、道路にも軽めにウェザリング塗装を施して
います。尚、露天風呂の湯の表現を少し、変更致しました。
まず、露天風呂の屋根は、1mmのひのき角材を柱に板に筋目を入れ
て、組み上げたものです。ここから、更にブリキ板などを当てて、トタン
屋根などにしても面白いと思います。
その他、電柱とガードレールは、KATOの製品です。
また、道路のウェザリングは、少し濃いめの同色系のアクリルカラー
を使い、ドライブラシ気味で塗ったり、ムラが出るように塗ることで
表現ができます。
↑次に樹木ですが、極細のワイヤーを束ねて、ハンドメイドで製作して
います。通常は、全方向に枝を作りますが、ここでは、背景用に片面
にのみ枝がある樹木も製作して配置させてみました。
昔からよくあるメジャーな作り方ですが、今回は、樹皮表現をするのに
あるものを使ってみました。それは、タミヤのテクスチャーペイント。
カラーは、ダークアースにダークグレイを少し混ぜた色合いです。
ただ、ワイヤーは、鉄ですので、スプレー式のメタルプライマーを下地
に吹き付けておくことで密着力が向上しますのでおすすめです。
では、ここで、製作中の画像を少しアップしておきますね。
下記は、写真の説明です。
1.ワイヤーは、市販のフラワー用ワイヤー30番線を使用。
長さは、通常35〜36センチです。3等分で折りたたみます。
メーカー:ひまわり→35センチ メーカー:SUNRISE→36センチ
完成時の高さは、約95ミリ〜110ミリです。
*ねじり方により、多少、変化します。
そして、両端のどちらかの輪になる部分をカットして輪をなくします。
*今回は、3等分に折畳んで製作しておりますが、最初にワイヤー
を必要な長さにカットしてからでも、もちろんOKです。
2.次に根元を指または、ペンチなどで絞ります。
瞬間接着剤やハンダなどで固定しても良いでしょう。
3.4.ワイヤーを数本づつ束ね、ひねりながら形状をつけていきます。
実は、この時、写真にはないある工程を行っているのですが、それは
皆さんに考えてもらいたいと思いますので、ここでは省略します。
ヒントは、『枝の数を増やすこと』です!
*どうしても分からない方は、後日、発売させて頂きます商品の
説明書をご覧下さい。
5.ワイヤーのみの樹木の骨組みが完成しました。
6.この工程の前にメタルプライマーを吹き付けて下地を作ります。
そして、手元にタミヤのテクスチャーペイント(ここでは、ダークアース)
を用意します。
7.使い古した筆で結構です。最近では、100円ショップでも使える筆が
入手できるのが嬉しいですね。毛先が開いても捨てないようにしま
しょう。こんな時に使えるのですから・・・
8.コーティング終了です。そのまま、乾燥させます。ここでも実は、私は
もう一つ工夫をしています。それは、テクスチャーペイントにある物を
混ぜているんです。ヒントは、『柔軟性』・・・です!
9.合成ゴム接着剤を枝の表面にうっすらと塗りつけます。
10.フォーリッジを細かくハサミでカットし、貼り付けます。
ただ、カットするだけではなく、軽く引っ張り密度を落としますとより
自然な葉を表現できます。
11.半分ほど、葉を付け終えた状態。実際は、暗緑色なのですが画像
編集で明るく見やすいようにしています。実物は、一番上にある完成
写真をご覧下さい。
12.完成写真です。ベースに穴を開け、接着剤をつけて、しっかりと固定
すれば、終了です!
*テクスチャーペイント・フォーリッジ・接着剤は、当店にて販売中です。
また、左側の簡易型の樹木は、2ミリの丸棒にフォーリッジクラスター
を接着したものです。(*当店の商品ページに作り方を掲載中です)
後日、関連商品と致しまして、分かりやすい詳細な作り方とワンランク
上のコーティング術そしてワイヤーをセットにして販売したいと思います
ので、よろしくお願い致します。
■販売を開始致しました。→『ワイヤーで作る樹木編』セットの商品ページへ
このようにジオラマ模型の製作って、実は、終わりがなく楽しめるもの
なんですよね。数年経ってからでも、『ここをこうしてみようか』と思った
ら、どんどん追加表現をしていって欲しいと思います!
あなたの夢をぜひ、表現してみて下さいね。
心和めるこだわりのジオラマ専門店
ジオラマ・オンライン工房
http://www.diorama-online.com/
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